もとじろう旅ブログ

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【長命館跡と長命滝不動尊】~住宅団地の中の城跡~

もとじろうです。

前回、賀茂神社などを回ったのと同日に、長命館跡長命滝不動を訪れていました。

賀茂神社のすぐ近くにあるので、短時間でどちらも回ることができます。

前回の記事はこちら

sendai-deep.hatenablog.com

 

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長命館公園の見晴らし台より加茂団地側を望む。春の季節は桜が鮮やか。

 

 

長命館と長命氏

長命館(ちょうめいだて)は、現在の仙台市泉区加茂にあった山城で、今はその跡地が長命館公園になっています。公園は加茂の住宅団地に囲まれており、地元の人達の憩いの場にもなっています。

公園の入り口にあった説明によると、

七北田川流域を眺望する最高所標高約90mの丘陵上に、自然地形を巧みに利用あるいは改変して、堀や土塁などの防御施設を配置した中世城郭。

(中略)

鎌倉時代中期以降の館跡であることが判明している。

館主は長命氏で、中世以降泉地区の領主であった国分氏から半ば独立する中規模程度の領主であったと推定されている。

 (長命館公園『長命館跡』説明文より)

長命館の名前の通り、館主(城主)は、長命氏のようです。

ですが、この長命氏については詳しいことはわかっていないようですね。

 

現在の泉区の辺り一帯を治めていた国分氏から独立して、加茂団地の周辺を領地としていたとのこと。

ちなみに館跡のある加茂の西には長命ヶ丘という地名で残されています。

 

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こちらは公園入口にあった「国分領西部の城館」地図。

いやいや、他にも結構あるんですね。全然知らなかった笑。

 

長命館は西部領地のほぼ中央。これだけでも広い領地に思えますが、あくまで国分氏の領地のうちの西部なんですね。

南北朝時代の争いの中で、こういった城館が建てられていったようです。

 

長命滝不動

長命館公園には、入口が何カ所かありますが、賀茂神社から来る場合は北口を利用すると思います。同じ道路(古内道)ですので。

そしてその北口には、長命滝不動があります。

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北口には6,7台ほどの駐車スペースがありますが、その右手の方にあります。

道路からも見えます。

不動尊像と石碑。石碑には「長命瀧不動尊」の文字と「慶應」とあるので、明治直前ですね。同じ年に、日本は明治を迎えています。

不動尊像は頭からパイプで水をかけられていますが、公園内の長命堤から引いているようです。

 

長命館公園

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さて、階段を上って公園内へ入って行きます。

 

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公園内はいくつもの散策ルートがあります。

整備されているので、普通の服装で大丈夫。慈眼寺の坂の方がきつかった…。

 

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わかりづらいですが、カタクリが群生しています。カタクリというと、近くの水の森公園にも多く生えています。

 

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この東屋のある辺りが館跡のよう。

確かにここは高台で、他と比べて平坦になっていました。

土台の石などがあるか期待しましたが、それは無かったです。

 

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園内には見晴らし台もあります。「物見岡」と呼ぶそう。

(ここからの景色はこのページトップの写真)

 

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お花見広場。桜が満開です。

これは想像以上でした。長命館公園がこんな桜の名所だったとは。区はもっとアピールしてもいいんじゃないかな。駐車場が狭いか。

それでも小さい子供が走り回ったり、広場は賑わっていました。

 

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広場にある舞台。これは近年作られたもの。

 

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この日は天気にも恵まれていました。

 

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お花見広場の近く、方向的には北東だったかな。山神の石碑があります。

本当に小さいので見逃しやすいです。以前は祠が建っていたようですね。

 

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北口に戻ってきました。南は住宅街が続いているのとは違って、北には田んぼが広がっています。

 

最後に

以下は専門的な内容が多いです。

僕の知識も追いつきませんが…、より詳しく知りたい方はどうぞ。

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公園にあった城郭図です。

中央下に「井戸跡」とあります。後から調べると、どうやらお花見広場に土が丸く窪んだ場所があったようですね。気が付きませんでした。


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車が停まっていてうまく撮れなかったのですが…。

出土品がいろいろ見つかっているようです。

 

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公園にある説明書きですが、これはかなり専門的な内容で難しいです。

堀や土塁を多く築いて城の防御を固めていたとのこと。

確かに、長命館跡は建物の跡が残るわけではなく、こういった土塁を見て回るものでした。

 

専門的なことは抜きにしても、桜は非常に見応えがありました。

 

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